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(読書メモ)佐藤芳之「アフリカの奇跡 世界に誇れる日本人ビジネスマンの物語」

今回は,朝日新聞グローブ(GLOBE)の記事を読んで非常に気になっていたケニア有数の食品会社ケニア・ナッツ・カンパニー創業者である佐藤芳之氏アフリカの奇跡 世界に誇れる日本人ビジネスマンの物語」を紹介します。



過去(2011年5月19日放送)にはテレビ東京の人気経済番組「カンブリア宮殿」に出演され,司会の村上龍氏は佐藤氏を編集後記で以下のように評していました。

アフリカを訪れると,初めての人でも不思議な懐かしさを感じる。人類が誕生した大地であり,時間がゆっくりと流れているからだ。
夢は寝ているときに見ればいい。大事なのは目的と目標だ,佐藤さんは明言した。その言葉を脇で聞いたの初めてだった。いつも私が誰かに発する言葉だ。佐藤さんは,母なる大地で,現地の人々と喜びを共有する,何と幸福な人生なのだろう。

以下,本書を実際に読んで印象に残った箇所を紹介します。佐藤氏の人生哲学やアフリカでビジネスを50年間してきた中で培った独自の経営哲学は学ぶ点が多くあると思います。

絵を描くことにしても,スポーツをやるにしても,最初からそれ一筋というのでなく,あちこちに寄り道して,いろいろなことを経験していると,あるときパッとすべてが一緒になって,道筋が見える。そういうものだと思います。もちろん自分の中に「芯」を持つことは大切ですが,若い頃は,モザイクを作っていくような感じで,自分の関心事にどんどんトライしていくといいと思います。

ちゃんと食べられるという土台があって,はじめて仕事の意味とか働く喜びを云々できるのです。アフリカではまだまだ「職を選ぶ」という状況にはありません。失業率は五十パーセント以上。
大学を卒業してもすぐ職に就けるのは二十パーセントぐらいです。(中略)社員には,「この会社に就職するのは自分の仕事を生み出すこと。つまり,“創職”することなんだよ」と話していました。

自分の職能が見つかった人は,どんどん独立して,自分で仕事をしなさいと言いました。社員というのは,会社が所有したり,縛ったりするものではなく,あくまでも自由な意思を持った個人でなくてはならないと云うのが私の考えです。

心配とは想像力の誤用である」 アフリカの人は必要以上の心配はしません。目の前にある現実,今を生きるということを最大の関心事にして暮らしていますから。つねに「まあ,なんとかなるさ」「明日は明日の風が吹くさ」という態度です。(中略)想像力というものは,もっと明るく積極的な方向に使われるべきものです。

シンプルであるいうことが最も深い。これもアフリカで学んだことです。人は本質的に物事をシンプルにできないところがあります。何でも複雑にしてしまう。無理して,知恵を絞って複雑にする。そうして本来シンプルなことを難しくしてしまう。


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